さて、久しぶりにCO道に書き込みをしています。
いよいよ2年近く働いてきたForest Hills Community Houseでの仕事も終わりをむかえ、今月末には日本に帰ることとなりました。NYでの経験は本当に身になるものだったので、これからもちょっとづついろ んな形でここに書き落として行きたいと思う。
今日は2年間コミュニティー・オーガナイザーとして従事してきて、最も効果的に長・短期のCOを展開できる三つの要素について書こうと思います。
この三つの要素はおそらくCO以外でも有効な考え方であるとは思うけれど、ようは人間と仕事をする上で大切なコンセプトになると思います。そのなかでも、人に主体性を持った行動を促すCOでは特に以下の3点が重要だと思います。
1)コミュニティー・ビルディング
2)Issue based organizing(問題解決のための組織化)
3)選挙に関わる活動
という3点ですが、これは1)長期的で包括的な活動(Long-term)、2)短期的で目的が明確な活動(Short-term)、3)具体的に結果が出る活動(Practice of one’s power)といえると思います。
具 体的に言えば1)は常に活動の根底となるコミュニティーという基盤を作り、保つ活動。コミュニティーの無いところにオーガナイズもありえません。 Social Capitalとも呼ばれるコミュニティーの要素を作り、より多くの人に地域社会活動に参加してもらうことが鍵になってきます。これがなくては、情報の伝 達も、ニード調査も、エンパワーメントも、運動も成り立ちません。
一 方で、2)は具体的に問題解決のために人が具体的な目標を掲げまとまる機会を与 えるものです。1)だけではいくらコミュニティー活動を繰り返しても進歩が見 られないため、いつしかコミュニティーは目的を失い、まとまる意義を見失ってしまいます。コミュニティーがまとまるという意味では、問題解決でなくても、 収穫祭や奉納祭だったり、人種迫害運動や宗教的セレモニーなど考えられるが、今日の民主主義国家におけるコミュニティー活動の中では、問題解決というプロ セスが最も生活の基盤と密着していると思う。これは流動的なものであって、短期的なイベントである方が望ましく人々の生活に身近に感じられる目標のような ものを上げることが大切になります。
3)の選挙に関わる活動というのは、今日の民主主義の中で選挙にどれほど重きを置くかで変わってきますが、 2005年の今日の時点ではやはり選挙というも のは民主主義の大きな要素であって、無視はできないし、影響力は大きいです。さらに、世界的にも選挙権が人権として確立しつつあり、選挙権はすべての人間 が平等に行使できる一つの「力」として大切なコンセプトとなりました。この「力」を使って具体的に政治に影響力を与えることは大事なCOの要素です。さら に、実際に選挙を行わなくても、有権者であることを盾に代議士の人と交渉することも可能になります。実際に目に見える「一票」という力を行使することで人 はエンパワーされます。
以上の三つの柱を軸にCOを展開することで、より効果的な活動ができるでしょう。残念なことは多くのCOはこの中の一つに のみフォーカスしたものが多いこ とである。じっくりと先を見据えた活動をしてはいるもののいつになったらその効果が表れるか未知なものや、目先の問題解決で一致団結してはいるものの山場が 過ぎると解散してしまうコミュニティー、政治的な活動には熱心であるがそれ以外のコミュニティー活動が皆無なものなどである。それぞれの活動がお互いの要 素を取り込むことで、より効果的なCOが展開されるんじゃないかな。