東京ボランタリーフォーラム

先週末は東京ボランティア・市民活動センターが主催した東京ボランタリー・フォーラム2006に参加してきた。実際には、参加するだけではなく、「地域の拠点」という分科会でニューヨークでの経験の事例報告(パワーポイント)をさせていただいた。日本に帰国して7ヶ月過ぎても、「昔取った杵柄」である。20名の参加を想定して行ったこの分科会は、ふたを開けてみれば30余名の参加、しかも老若男女さまざまな人に参加していただけた。当初は、若い人の参加を予想していたが、高齢者の方もたくさん参加され、定年退職後に地元で事業を始められた方など、とても参考になる話を聞くことができた。
最近、アルバイトで特別行政法人福祉医療機構から過去に助成を受けた団体のヒアリング調査を行っているけれども、何よりも感心することは、助成を受けた中でも、優良事例として取り上げられている団体の中心人物(リーダー)の多くが中高年の女性という点である。中高年の女性には代表役がふさわしくないということではない。むしろその逆で、中高年の女性たちが、長い年月をかけて思いを形としてきた活動がさまざまな形として実り、今日の市民社会を支えているという事例を多く見て、こういったアクター抜きでは今日の市民活動は語れないと思った次第である。
今回のフォーラムでも、まだボランティアや市民活動暦が浅い人なども、積極的に新しい取り組みを行っていたり、新たな発想で周囲の人の参加を促したりと、多くの地に足のついた事例を聞くことができた。もちろん、成功話と同じくらいの苦労話も絶えないわけで、どちらも含めて、それぞれがお互いの思いに対して共感していた。今回の分科会を一緒に行った、墨田区、興望館の館長さんもおっしゃっていたが、フォーラムの重要性とはその内容はもちろんのころ、第一線で事業に取り組んでいる人たちが思いを共有することに意義があるんだと。まさにそのとおりだと思う。Self-Supportが必要なのは、社会的な弱者だけに限らない。福祉事業に取り組んでいる人たちも、お互いの思いを共有することで、エンパワーできる。そういった意味では、今回のフォーラムは僕自身がエンパワーされた会であったし、多くの人が同じ気持ちで帰路についたと思う。
こういった会が、より身近に行われることで、市民社会を支える人材が育っていくんだろうと思う。アメリカでも、Community ForumやTown MeetingはCOテクニックとして、多くのオーガナイザーが重要視している。また、世界的にもWorld Social Forumなどの国際的なフォーラムが行われていることを考えると、こうしたフォーラムというのは21世紀の市民社会形成において、必要不可欠なツールなのかもしれない。

CO道

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