COにとっての政策とは何だろう

先週、同志社大学で行われた日本社会福祉学会の政策・理論フォーラムに参加してきた。4月から同志社大学の博士課程後期へ進学が決まり、ついでに日本社会福祉学会日本地域福祉学会に入会し、さらには今回のフォーラムを取り仕切っていたのが、僕の指導教授ということで、参加必須条件が整いすぎていたので、参加してきました。今日の日本における社会福祉の全体像を学ぶにはうってつけでした。
まぁ、今回のフォーラムが「政策・理論フォーラム」というだけあって、近年の社会福祉政策の動向を踏まえながら,高齢,障害,児童,貧困という対象分野別,地方分権,制度改革,社会的排除という今日的キーワード別に,それぞれのフィールドで日本の社会福祉を引っ張る主要な先生方の報告となった。
その中でも,地方分権については関西学院大学の牧里先生が,地域福祉計画を軸に政治的なインパクト,システム化への影響,自治体行政への影響について話された。なるほど,今まで政策という切り口で地域福祉計画を考えたことがなかったけれど,確かに地域福祉計画とは福祉の理念を地域レベル(自治体レベル)で,住民参加型を促しながら進める,ひとつの政治的な方法であるということを学んだ。
地域福祉計画は,英語で言うところのCommunity Planningに当たると思うんだけど,これは,住民や当事者が社会政策の決定プロセスに参加することで,より民主的な政治を促進するというCOの一手法である。しかし,ここで言う政治とは英語ではpoliticsなわけで,小文字のpのpolitics,つまり,広義の政治なわけだ。それと反対に,狭義の政治(Politics)とは代議士制で行われている政治を指して用いられる言葉である。日常会話で「政治」というと狭義の政治を指して用いられていると思う。狭義の政治は絶対多数決の要素が濃いため,対立的な考えになってしまう。政治の話になると,解決の見えない意見のぶつけ合いになりがちだが,それは狭義な政治における解決を求めているからであり,民主主義の複雑さを無視したような考え方にも取れる。そうした,政治的な決議を経て決められた政策は,当然すべての国民(市民)が満足するようなものではない。
こうした今日的民主主義政治の役割をより強化するため,つまり,より広義の政治に近づけるためには,住民・当事者の参加が必須である。そういった意味では,COにおける住民の組織化からエンパワメント活動,Community Planning,Community Developmentなどの手法はそれ自体が,広義の政治の重要な要素であり,社会政策が機能するためには絶対不可欠な条件であると思う。つまり,COにとっての政策とは参加を意味し,実践を意味し,賛同と反対を意味するものである。

CO道

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