さて、日本に帰国してからよくCSRという言葉を耳にするようになった。まだ一般にはそこまで広まっていないと思うけれど、NPOの中ではかなり定着しているようである。
僕が始めてCSRというコンセプトを知ったのは2年位前で、Dominiと いう、アメリカCSRのさきがけ的なインベストメント指標を作ったファームを知ったのがきっかけだった。それ以来、たまにアメリカでも耳にした り、Newsweek Japanの特集で見かけたり、日経に載ってたりと、だんだん世の中に広まってきているとは思っていたけど、まさかここまで日本のNPO界で話題に上って いるとは思わなかった。
こ のCSR、まだまだ発展途上のコンセプトで、日々進化しているように思われる。アメリカでは企業の社会的責任というコンセプト自体決して古いものではない と思うし、どちらかというと必然的に至上主義のメカニズムに対してのアンチテーゼとして沸いてきたものであると思う。でも、日本のCSRはものの見事に猿 真似だね、うん。葛藤から生み出される解決策ではなく、「うーん、それっていい考え方だし、アメリカで流行ってるし日本でもやったほうがいいよね」的なも の。でも、日本のすごいところは、その謙虚な姿勢からとんでもなくよく機能するシステムを作り出してしまうところ。これは、その葛藤の部分がないからテー ゼに対するアンチテーゼとかではなく素直にジンテーゼを生み出してしまうところにあると思う。とてもTransferencialな国民性ですね。
そこで、世の中のコミュニティー・オーガナイザー諸君に一言!今コミュニティー・オーガナイザーが日本のCSRの基盤つくりに携わることで、日本における社会活動参加の地図が塗り替えられるかもしれない。さらに言うと、社会活動の文化を築くことになると思う。
ア メリカの企業もそうだけれど、日本の企業もどのようにして社会的な投資をすればいいのかわかっていないようである。試行錯誤の段階ね。企業にとっては福 祉活動に対して寄付をすることは安全パイであるけれど、「投資」という意味では魅力を感じていないようである。これは「影響力」の問題であると思う。 CSRとは「投資」によって社会に対して責任ある「影響」を及ぼすことだが、これはCOによってその効果を増すわけである。つまりは地方分権の流れのも と、住民主体で21世紀の社会作りを創造していくことはコミュニティー・オーガナイザー無しではできないんじゃないかと思う。それがCSRによってより具 体的に動き出すような気がします。そういった意味でも、コミュニティー・オーガナイザーは福祉というコンセプトをもっと全体的にみて、社会にとって何が必 要であるか、どのようなアプローチが可能か柔軟に対応していかないといかんね。それにはまずコミュニティー・オーガナイザー塾みたいなものを始めないとい かんかねぇ。いろいろ考えないと・・・。