シリーズ『実践の糧』vol. 1

掲載:『つなぐ』寝屋川市民たすけあいの会,第198号,2011年10月.

実践の糧」vol. 1

室田信一(むろた しんいち)


今号から「つなぐ」の紙面に私の文章を掲載していただくことになった。
読者が寝屋川市民たすけあいの会会員の皆さまということで、いささか緊張するが、同時に大変光栄なことであり、楽しみでもある。今のところ、連載期間が提示されているわけではないので、私の気力と体力が続く限り務めさせていただきたいと思っている。

さて、連載を担当するにあたり、コーナーのタイトルを「実践の糧」と銘打たせていただいた。私の人物像や略歴に関しては、連載を通して追々お伝えしていこうと思っているが、この連載では、私がアメリカと日本で経験してきた社会福祉(とりわけ地域福祉)の実践について、私なりの考えを書かせていただこうと思っている。願いとしては、この連載が、社会福祉の実践に携わっている人や地域で様々な活動に関わられている人にとって、励ましや刺激となり、また気づきや学びを得る機会となることである。当然、皆さまからフィードバックをいただくことで、私にとっても同様の機会となることを期待しているし、実践者の養成教育や福祉の研究に携わる立場としては、そのような学び合いが、日本の社会福祉の底上げになるものと信じ、筆をとっていく所存である。

つまり、「実践の糧」というタイトルには、この連載が実践に携わるものにとっての「栄養」になればという私の思いが込められている。ちなみに、インターネットで検索すると、同様の表現を用いている文章がいくつか散見されるものの、慣用句として使われている形跡はない。「思考の糧」という言葉はよく使われるが、「実践の糧」というコンセプトはこのコーナーを通してこれから売り出していきたいと思っている。

前置きが長くなってしまい、本題に触れるには紙幅が限られてきてしまったので、今回は残りのスペースを利用して次回以降で執筆する企画について若干触れさせていただくことにする。

まず次回は、私が福祉の道にどっぷり浸かるきっかけとなったある人物の紹介から始めさせていただく。既述のように、私はアメリカと日本でソーシャルワーカーとして仕事をしてきた経験がある。アメリカのニューヨーク市でコミュニティ・オーガナイザーという仕事に携わり、日本では大阪のコミュニティソーシャルワーク事業にかかわってきた。それらの仕事を通して、現場で活躍する魅力的なワーカーたちに出会ってきた。この連載では、そうしたワーカーたちの紹介も企画している。

現在、日本では、税と社会保障の一体改革が進められている。超高齢化社会に突入するという背景もあり、日本の社会保障費は増加傾向にあるが、実態をみれば、日本の福祉は限られた財源で推進されている。そうした厳しい状況を支えているのは現場のワーカーたちである。そうしたワーカーたちへのエールとなるような連載にしていきたいと考える。

※掲載原稿と若干変更する場合があります。

実践の糧

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